ウイルスのイボが、老化のイボだと思って見過ごされることもあります。

2025年11月24日
顔にできる青年性扁平疣贅や尋常性疣贅は、ウイルス感染によって生じます。

初期の段階では、単発で現れることも多く、「老化によるイボ」なのか「ウイルス性のイボ」なのか、見分けがつきにくい場合も少なくありません。

特に、顔にできたばかりの尋常性疣贅は、判別が難しいことがあります。

一方、青年性扁平疣贅は次第に数が増えていく特徴があり、できやすい部位や表れ方にも一定の傾向があるため、老化のイボとは区別しやすいことが多いです。

こちらの患者様も、「老化のイボが気になる」とのことでご来院されました。

矢印で示した部分のみが気になるとのことでしたが、斜め右上にある老化のシミの部分にも、同じタイプと思われるイボが確認できたため、「そちらも一緒に除去できますよ」とお伝えしました。

しかしご本人は「そこは今は気にならない」とのことでしたので、

矢印の部分のみ、炭酸ガスレーザーにて除去を行いました。

【3か月後】

矢印で示した「老化のイボ」はきれいに取れていました。

しかし、当初「老化のシミのところにある老化のイボ」とお伝えしていた斜め右上の部位が、よく見るとウイルス性の尋常性疣贅の典型で、表面が盛り上がっている小さな隆起が見られました。

該当部分も炭酸ガスレーザーで除去を行いました。

【2週間後】

炭酸ガスレーザーで除去した部位は、まだ赤みがあります。

レーザー治療では、このように赤みがしばらく残ることがあります。

小さなウイルス性のイボや小さな老化のイボは、塗り薬での治療の方が手軽で、ダウンタイムも少ないため、人気があります。

通常は、老化のイボを除去した際に、周囲の老化のシミも色が気になる場合は一緒に除去することが多いです。

しかし、70代以上の方では、他にもシミがあることや目の見え方の関係で顔の横側は合わせ鏡でないと確認しにくい場合もあります。

そのため、「気にならないのでこのままで大丈夫」と希望される方もいらっしゃいます。

今回の患者様も、周囲の色は気にならないとのことでしたので、現時点ではそのまま様子を見ることにしました。

もし今後気になるようであれば、改めて除去することとしました。

また、ウイルス性のイボの場合は、潜伏期を経て周囲に小さく出てくることがあるため、今後も定期的に確認し、気になる部位があれば対応していく予定です。