ピアスのトラブルは、セカンドピアスに変えて、自分で好きなピアスを毎日入れたり抜いたりするようになってから起こることが多いです。
原因は、ピアスを挿入する時にピアスホールを傷つけてしまうためです。
ピアスをピアスホールにまっすぐ挿入しないと、中の壁を傷つけてしまいます。
そのため、ピアスを着けるときは、慣れるまでは鏡を見ながら着けることをおすすめしていますが、つい面倒になってしまうのでしょうね。
炎症を起こしたまま金属が触れていると、金属イオンが皮膚の中に入り込んでしまいます。
そうすると、金属に対する異物反応で「異物肉芽腫」という硬いしこりができてしまいます。
これは、しこりを取ると逆に耳たぶは変形することがあり、ほかの部位でも手術の傷が残るため、何もしないほうが目立たないことが多いです。
つまり、しこりが残ってしまうことがあるのです。
特に、おへそや耳たぶ、軟骨の部分はできやすいです。
また、炎症を起こしているときに金属を着けていると、しこりができるだけでなく、金属アレルギーも起こしやすくなります。
さらに、炎症があると細菌感染も起こしやすくなります。
感染すると炎症が強くなり、痛みが出たり、ピアスホールの周囲が熱を持って腫れたり、ピアスホールから膿が出てきたりします。
治療としては、炎症を起こしたら、まず金属のピアスを外します。
ただ、そのまま外しておくとピアスホールがふさがってしまうため、シリコンチューブを挿入してホールが閉じないようにします。
シリコンチューブは、滅菌済みの拡張器を用いてピアスホールに挿入し、チューブの両端を結んでループを作ります。
こうすることで、ピアスホールがふさがらないだけでなく、膿が中にたまらず外へ排出されるというドレナージ効果もあります。
細菌感染に対しては抗生物質を内服します。
炎症が強く、熱感や腫れが強い場合には、消炎鎮痛薬も一緒に内服します。
また、ご自宅では消毒を行い、抗生剤と消炎剤の入った軟膏を塗っていただきます。
この患者さんは、1週間ほど前から下のヘリックス部分の後ろ側(青いピアスの下のふくらみの部分)に痛みがあり、少しずつしこりができ、後ろ側から浸出液が出るようになったとのことで来院されました。
後ろ側を診てみると、細菌感染を起こしていたため、
シリコンチューブを挿入しました。
また、「ついでに」ということで、アウターコンクとヘリックスにも追加でピアスホールを開けていかれました。
実は、ピアストラブルで来院された際に、新しくピアスを開けていかれる方は少なくありません。
どうせ1か所消毒するなら2か所でも3か所でも一緒ですし、ちょうど抗生剤を飲むので感染のトラブルも起こりにくいからです。
シリコンチューブを着けた状態で1週間後に診察し、炎症が治まっていれば終了です。
炎症や感染がまだ残っていれば、さらに1週間続けていただくことになります。
できてしまったしこりは多少小さくなりますが、残ってしまうことも多いです。
特に軟骨は、かなり大きなしこりになりやすいです。
「痛いな」「水っぽい液が出ている」など、少しでもおかしな症状がみられた場合は、できるだけ早めに受診されることをおすすめします。
早めに治療を始めることで、しこりも最小限の大きさで済むことが多いです。



