実は知らない人がとても多いアトピー性皮膚炎・花粉症・アレルギー性鼻炎に効くヒスタグロビン注射

2025年12月19日

ヒスタグロビン注射は、実はまだあまり知られていませんが、アトピー性皮膚炎、花粉症、アレルギー性鼻炎などでお悩みの患者さんに幅広く用いられている治療です。

ヒスタグロビン注射は非特異的減感作療法に分類されます。

特定のアレルギー原因物質(花粉やダニなど)に対して感受性を下げる特異的減感作療法とは異なり、ヒスタグロビン注射は原因となるアレルゲンを特定せず、アレルギー体質そのものを改善していくことを目的とした治療です。

私たちの体内では、アレルギー物質(抗原:花粉など)が侵入すると、
それに反応してIgE抗体が作られます。

再び抗原が体内に入ると、IgE抗体が抗原と結合し、その過程でヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されます。

このヒスタミンなどが原因となり、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみといったアレルギー症状が引き起こされるのです。

ヒスタグロビン注射は、効果の実感までに少し時間がかかる治療です。
一般的には、注射開始から3~4週間ほどで効果が現れてくるとされています。

そのため、花粉症などはシーズン前から始めていただくと、より効果的です。
とはいえ、症状が出始めてからの開始でも問題ありませんので、ご安心ください。

体内でアレルギー反応が起こり、ヒスタミンが放出されても、ヒスタグロビン注射はヒスタミンの働きを抑える作用が期待できるため、くしゃみ・鼻水・かゆみなどのアレルギー症状を和らげることができます。

※効果の現れ方には個人差があります。

ヒスタグロビン注射は、即時型アレルギー反応に関与する症状の改善が期待できる治療です。

そのため、アトピー性皮膚炎においても、体質改善を目的とした治療の一つとして用いられています。

アトピー性皮膚炎の治療では、一般的にステロイド外用薬や内服薬が用いられますが、これらは主に炎症を一時的に抑える対症療法です。

一方、ヒスタグロビン注射は、アトピー性皮膚炎のほか、花粉症、喘息、食物アレルギーなど、即時型アレルギー反応が関与する疾患全般に対して効果が期待される治療です。

ヒスタグロビンは、体内でアレルゲンに反応して起こるヒスタミンなどのアレルギー症状を引き起こす物質の放出を抑制する作用があると考えられています。

その結果、かゆみや炎症などのアレルギー症状を和らげる効果が期待できます。

なお、すべての方に同じ効果が得られるわけではなく、効果には個人差があります。

通常は1クール6回の注射を行いますが、症状が強い方の場合、3~4クール継続することで改善を実感される方も多くいらっしゃいます。

また、ヒスタグロビン注射は生物由来製剤であり、ステロイドとは異なり、副作用が非常に少ない薬剤とされています。

そのため、医師の判断のもとであれば、治療回数が増えても継続しやすいのが特徴です。

実際に、ヒスタグロビン注射は昭和42年(1967年)から使用されており、50年以上にわたる使用実績の中で、重篤な副作用がほとんど報告されていない点も大きな特長です。

ただし、
・激しい喘息発作がある方
・妊娠中、または妊娠の可能性がある方
・著しく全身状態が衰弱している方

などの場合には、本剤を使用できないことがあります。
必ず医師の診察・判断のもとで治療を行います。