顔の赤み(酒さ)が皮膚科で治らない理由①

顔の赤みが気になるという方は、実はとても多くいらっしゃいます。

では、顔が赤い場合、どのようなことが考えられるのでしょうか。

① 湿疹や炎症が強い場合

かぶれやアトピー性皮膚炎などの場合は、皮膚科医が診察すると比較的判断しやすく、適切なお薬で改善が期待できます。

症状が強い場合はステロイドの塗り薬、赤みが中心の場合はコレクチム軟膏を使用します。

また、赤みの出方や症状が出始めた時期などを確認しながら、必要に応じてアレルギーの飲み薬も処方します。

② 脂漏性皮膚炎の場合

症状が強いと、皮膚がカサカサ・ガサガサし、フケのようなものが付着します。

皮膚に誰でもいるマラセチア菌(カビの一種)が、増えすぎた皮脂をエサにして増殖し、炎症を起こします。

症状が強い場合は、まずステロイドの塗り薬で炎症を抑え、その後、マラセチア菌に対する塗り薬を使用します。

ただし、根本的には皮脂が多いことで菌が増えているため、皮脂が多い方には皮脂腺を萎縮させるビタミンA誘導体の内服薬を使用することもあります。

③ 酒さの場合

症状が強いと、ニキビのような赤いブツブツや、細い糸のような毛細血管の拡張が目立つようになります。

また、ほてりやヒリヒリとした灼熱感が強く、入浴時や寒暖差、アルコール、辛いものを食べた時などに急激に赤みが強くなるのが特徴です。

神経血管系の過剰な反応や免疫異常、寒暖差、紫外線、ニキビダニなど、さまざまな要因が複雑に関係して起こると考えられています。

治療では、ロゼックスゲルで炎症を抑え、必要に応じてビブラマイシンなどを処方します。

こうして見ると、「3つの病気は全然違うから、見分けるのは簡単では?」と思われるかもしれません。

しかし、実際にクリニックへ来院される方の約90%は軽症です。

軽症の場合は、①②③いずれも「頬が赤い」という症状だけで受診されることが多く、見分けるのが難しくなります。

また、症状が強くなると、①と②、②と③、①と③というように、複数の病態が重なっている方も少なくありません。

では、どのように見分けるのでしょうか。

そのお話は、次回ご紹介します。

こちらの患者様も、比較的症状がしっかり出ています。

しかし、この方もいくつかの病態が重なっています。

酒さの症状もあり、脂漏性皮膚炎の症状もあり、さらに通常のニキビもありました。

そのため、それぞれの症状がどこに、どの程度出ているのかをご説明したうえで、治療を組み立てていきました。

この方はニキビもしっかり出ており、硬い白ニキビも多くありました。

さらに、頬全体と小鼻周囲に炎症があり、皮脂も多く、ギトッとした皮脂の性状がみられました。

そのため、皮脂腺を萎縮させるビタミンA誘導体であるロアキュテインを内服し、ニキビと酒さの炎症を抑える目的でビブラマイシンを8週間内服しました。

3か月後には、ニキビや皮脂による脂漏性皮膚炎、酒さはかなり改善しました。

しかし、全体的な赤みは残っており、ベースには炎症後色素沈着もみられました。

また、白ニキビも一部残っています。

もちろん、これで治療が終わりではありません。

赤みや色味が残っていると気になりますよね。

一般皮膚科では、この段階で「もう治っています」と言われることも少なくありません。

しかし、患者様ご自身はまだ気になることが多いと思います。

これらの赤みや色味をどのように改善していくのかについても、次回詳しくお話しします。

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